防炎シートという物を皆さんは御存知でしょうか?
防炎シートは、工事現場などの囲いや目隠しに使われる大型のシートです。
直射日光が当たる場所での日差しやホコリから守るため、また、従来の防炎シートよりも燃え広がりにくい加工がされているため、作業現場などで使用されています。
防炎品には消防法で定められている「防炎物品(消防法に基づき使用義務化されている品)」と、
消費者の立場に立って防炎製品認定委員会が防炎性能等を認定した「防炎製品(消防庁による指導・推進品)」があります。
シートの他にも不特定多数の人が出入りする施設・建築物で使用されるカーテン・じゅうたん、劇場等で使用される舞台幕等も「防炎物品」の使用を義務づけられています。
また国産シートは、耐久性・引張強度によって、JIS規格にて1類(単体で落下物を受け止められる)・2類(金網などとの併用が義務付けられる)に分けられます。
今回は、防炎シートの基本的な特徴・規格・種類について解説していきます。
防炎シートの基本的な特徴
防炎シートとは、火をつけても燃えにくい、燃え広がりにくい加工を施したシートのことをいいます。
防炎シートを含む防炎品は、消防法に基づく「防炎物品」と、防炎製品認定委員会によって防炎性能が認められた「防炎製品」があります。
消防法に定められた防炎規制により、高層ビルや地下街、不特定多数の人が出入りする一定の防火区画では、防炎性能を有する防炎製品を使用する必要があります。
消防法施行令別表第1で特定防火対象物と定義されているのは以下の施設になります。
・劇場/映画館/演芸場など
・公会堂や集会場
・キャバレーやナイトクラブなど
・遊技場
・飲食店
防炎シートは、耐火のためだけでなく、作業現場の結束や包囲、野積みやテントの屋根のカバーなど、落下物の飛散防止にもよく使われます。
また、イベント会場、水産業、農業などなど、幅広い分野にも用いられています。
用途は養生シートやブルーシートとにていますが、この2つの素材は防炎仕様ではありません。
防炎シートに使用される合成繊維は、本来非常に燃えやすい石油から製造されますが、難燃剤を使用することで、耐火性が高く、燃えにくいシートを製造することが可能です。
防炎シートの規格
防炎シートは、引張強度によってJIS規格の1類と2類に分類されます。
これらは主に足場や高所作業で使用するための規格です。
では、それぞれの規格の定義を見てみましょう。
1類
防炎シートの1類は以下の条件を満たし、シート単体で落下物を受け止める強度を持つ製品のことを指します。
・引張強度 49.0(kN・mm)以上。
・縦・横それぞれの方向の引張強さ 対応する方向の引張強度の5%かつ49.0(kN・mm)以上。
・接続部の引張強度が引張強度の70%以上の数値
・対貫通性 貫通、またはシートが著しく損傷しない
・はとめ強さ 2.45N以上
2類
2類のシート単体では落下物を受け止める強度がないため、金網などと組み合わせて使用する必要があります。
・引張強度 490N以上
・縦・横それぞれの方向の引張強さ 対応する方向の引張強度5%以上
・はとめ強さ はとめ間隔1.47L以上
防炎シートと他のシートとのちがい
防炎シートの他によく似た名称として、防火シートや不燃シートなどがあります。
不燃シートは、「防炎性」ではなく、「一定期間燃えない」という性質を持つ素材のシートのことです。
裏面に難燃加工が施されており、表面が燃えても裏面に炎が燃え移らないシートを不燃シートと呼びます。
建築基準法に基づき、国土交通省が定めた試験に合格することで認定されます。
難燃は、繊維の原料である合成樹脂やポリマーそのものを燃えにくくする処理方法です。
ハロゲン化合物やリン化合物を添加すると、化学反応が起こり、繊維が燃えにくくなり、延焼しにくくなります。
また、分子同士を強固に結合させることで、熱分解しにくくする方法もあります。
そして、防火シートは、これらをまとめて「燃えにくいシート」という意味で用いられるフレーズです。
特に加工方法や性能に条件があるわけではありません。
まとめ
防炎シートは、火災や落下物など、職場でよくあるトラブルを防ぐために欠かせない製品です。
もちろん、現場では特に注意が必要ですが、耐火シートは自己消火性で燃えず、延焼しないため、あらゆる職場で活躍します。
購入の際には、消防法・条例で定められた防火基準に適合していることが表示されていることを確認してください。
使用状況に応じて第1種または第2種を使い分けましょう。